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寝たきりを防ぐ
「寝たきり」のお年寄りは、年々増える傾向にあります。現在、85歳以上のお年寄りのうち、5人に1人が寝たきりの状態です。
寝たきりの最大の原因は脳卒中です。後遺症による体の麻痺で、体をほとんど動かさないでいると、人間の筋力は、若い人でも1日につき3〜7%低下するといわれています。お年寄りでは、さらに急速に衰えが進むので、できるだけ早くリハビリテーションを始めなければなりません。
急性期のリハビリテーションでは、まず関節が縮こまって動かなくなるのを防いだり、床ずれを防ぐために介護者が関節を動かしたり、姿勢を変えたりすることが中心となります。そして、ベッドの上で座った姿勢を保てるようになることが目標です。座ることさえできれば、両手が自由になるため、車イスにも乗れるようになり、行動範囲が広がります。
退院するときは、必要に応じて、リクライニングつきのベッドやイス、ポータブルトイレを用意しておきましょう。家に帰っても、できるだけ体を起こしたり、座る時間をとったりすることが大切です。
また、排便をおむつの中ではなく、トイレで行うということは、人間としての尊厳を保つために非常に重要なことです。ベッドなどの介護用機器は、市町村や在宅介護支援センターに問い合わせれば、借りることができます。
家族はつい過保護になりがちですが、本人ができることに関しては、なるべく手を貸さず、自分でやってもらうことが、自立を促し、寝たきりを防ぐことにつながります。
(佐久総合病院 名誉院長・松島松翠)